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【登壇報告】東京大学で開催された「高性能賃貸住宅研究会 第7回シンポジウム」にて発表してきました!

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こんにちは。くらがの三方よし不動産(株式会社クレセール)の大木です。
先週末(2026年9月25日)、東京大学本郷キャンパス(工学部1号館15号講義室)にて開催された「高性能賃貸住宅研究会 第7回シンポジウム」に登壇してまいりました。

会場・オンライン含め、建築・不動産関係者、行政、研究者の方々など、熱心な参加者で満席となる中、私も「地方都市で賃貸経営を実践してきた大家」としての視点から提言をさせていただきました。
今回の登壇テーマ
『高性能賃貸は地方都市でも儲かるのか?― 長期優良住宅で考える 50年賃貸経営 ―』
戸建て住宅では長期優良住宅の認定率が約半数(49.8%)に達しているのに対し、共同住宅ではわずか2.4%に留まっています。
「なぜ共同住宅の高性能化が進まないのか?」
それは技術の不足ではなく、大家・オーナー側にとって「事業として本当に成立するのか(儲かるのか)」という経済合理性の壁があるからです。
地方都市では、建築費が上がったからといって自由に家賃を上乗せできるわけではありません。
今回の発表では、群馬県高崎市での実際の家賃査定(55㎡・2LDKで約8.5万円)をベースにしたモデルケースを用いながら、徹底的にシミュレーションと検証を行いました。
初年度の利回りだけで見ると、高性能化は「不利」になる
同じ8戸の共同住宅でも、長期優良住宅を想定した高性能仕様にすると、建築費で約1,600万円の追加投資が必要になります。
そのため、初年度の表面利回りだけで比較すると、
一般仕様:6.66%
高性能仕様:6.35%(▲0.31pt)
となり、数字上は不利に見えてしまいます。
だからこそ、大家の判断軸を「初年度利回り」から「35年返済 × 50年経営」という時間軸へ広げて考える必要があります。
「50年経営」で見えてくる本当の価値
発表では、以下のポイントを数値(CFや返済余裕率:DSCR)で詳しく解説しました。
1. 家賃維持力と投資回収
経年劣化による家賃下落を緩やかに抑えられれば、融資返済後半(35年返済の終盤)のキャッシュフローが大きく安定します。50年間の累積CFで見ると、高性能仕様は約24年目で追加投資分を回収し、長期的に大きな差となって跳ね返ってきます。
2. LCC(ライフサイクルコスト)と予防保全
長期優良住宅は「修繕がゼロになる住宅」ではありません。維持管理・更新が容易な設計と予防保全によって、30年目などの大規模修繕コストを20〜30%圧縮していくこと、そしてそれを最初から経営計画に組み込むことが重要です。
3. 地方都市で成立させる「4つのレバー」
地方で事業を成立させるには、単に「良い建物を造る」だけでは不十分です。
市場(家賃プレミアム、稼働率・家賃維持)
建築(追加投資の圧縮、標準化・長寿命)
金融(自己資金割合、融資期間・金利、補助金活用)
経営(修繕積立、長期入居、50年保有)
これら4つの要素を掛け合わせ、バランスの取れた「成立点」を見出すことが欠かせません。
まとめ:「高く貸す」から「50年で回収する」へ
私の出した結論は、『無条件に儲かるわけではないが、適切な市場・金融・経営の設計があれば十分に事業化できる』ということです。
「高性能だから家賃を高く取ろう」とするのではなく、「高性能の価値(住み心地・耐久性・修繕抑制)を活かして、50年間かけてしっかり回収し、地域に愛される資産として残す」。
これこそが、これからの地方都市における持続可能な賃貸経営であり、住まい手よし・貸し手よし・地域よしの「三方よし」につながると確信しています。
シンポジウム終了後の懇親会でも、多くの工務店・設計事務所・メーカーの方々と熱い議論を交わすことができ、大変刺激的な一日となりました。
主催の高機能賃貸住宅研究会の皆様、ご清聴いただいた皆様、本当にありがとうございました!
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